レポート|とよたまちなか芸術ラボ 第1回レクチャー

レポート|とよたまちなか芸術ラボ 第1回レクチャー


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とよた市民アートプロジェクトのプログラムとして始まった「とよたまちなか芸術ラボ」 の第1回レクチャーが6月19日に開催された。

「とよたまちなか芸術ラボ」は豊田市内でアートマネジメントに携わる人材を育成するた めのラーニングプログラム。今年12月に開催予定の

「とよたまちなか芸術祭」に向けてラボに参加する研究生たちがレクチャーや実践的な運 営の現場に携わりながら進められるカリキュラムとなっている。

ラボの研究生は公募を行い、短期の募集期間でありながら多数の応募があった。

その中から選考された11名がプログラムを通して4名のプログラムコーディネーターとともに芸術祭をつくり 上げていく。 

初日の6月19日は研究生の初顔合わせとなった。

美術、音楽、演劇、建築、まちづくりなど、様々な専門分野に興味があるメンバー、また 実際に専門家として活動しているメンバーが集まり、それぞれが応募したきっかけを共有 した。

「マネジメントについてもっと知りたいと思った」「自分の専門とは別の領域で活動する 方と関わってみたい」「自分の活動に課題を抱えていて、解決策を考えている」など

多くのメンバーがで課題意識を持ってこのカリキュラムに参加していた。

カリキュラムの第1段階「知る」では実際にアートマネジメントの現場で活躍するコーディ ーネーターや建築家、演奏家などのレクチャーを聞いて、

知識をつけることができる。

今回のレクチャー「アートマネジメントを知る」ではコーディネーターの谷口裕子さん、 「ON music project」代表の北川明孝さんをゲストに迎えトークを行った。

谷口さんからは、あいちトリエンナーレ2016「パブロープ」でのプロジェクトコーディネーター経験や、アッセンブリッジ・ナゴヤの運営にコーディネーターとして携わった経験を中心に、

一般的にはあまり具体的にされていない「コーディネーターとはどのような仕事か」とい

う部分をコーディネーターとしてご自身が行ったことを具体的にあげながらお話しいただ いた。

アッセンブリッジ・ナゴヤは、開催エリアである「名古屋の港まち」を舞台に音楽とアートが展開する芸術祭で、地域性や地域とのかかわりが大切だったそう。拠点施設の近くには商店街があるなど、まちの人と距離の近い現場であったため、地域の人との関係づくりを丁寧に行っていったそうだ。

例えば、まちの方々と意見交換する「港まちお助け隊会議」を定期的に行ったり、事務局スタッフが地域で行われる季節行事に参加することで、まちの人と価値観を共有し、信頼関係に繋げていったという。

アートプロジェクトのマネジメントとは、

「作品と現実の社会をつなげること」

「どうしたら鑑賞者にその作品を味わってもらえるか、状況を整えること」

であり、それぞれをイベントの特徴や規模によって自分の役割を確認しながら進めることが必要であるという。 

北川さんからは、自身のプロジェクトである「ON music project」で行っている内容を中心に「自分でプロジェクトをブランディングする」ことについてお話しいただいた。

ON music projectでは主にクラシック音楽と言われる分野のコンサートの企画/開催を総合的にプロデュースしている。

プロジェクトの内容は多岐にわたり、リレーコンサートや同じく北川さんの企画である 「ON minor project」ではアートなど他分野連携をテーマとしたプロジェクトの企画もブ ランディグする。

ホールレジデンシープロジェクトでは、中間人材の育成も視野に入れ、奏者にコンサート の企画を行ってもらい、鑑賞者や奏者自身に新しい可能性を提示しているそうだ。

プロジェクト運営におけるマインドとして

「表現者(コンサートにおいては音楽家)が主体となる活動であること」でありながらも

「自身のポリシーを活動や企画を通して表現していくこと」と話してくださった。

トーク後の質疑応答では、「まちの中で行うプログラムについて、地域の人の信頼を得るには具体的にどうしたら良いか」

「クラシック音楽など、文化芸術における伝統を守りながら新しい展開を考えるにはどう したら良いか」など、研究生自身が実際に悩んでいることについての質問が多く飛び交った。

第一回トークはこれからアートマネジメントの現場に関わっていく上でかなり実用的な内容であった。

研究生にはぜひ今回のトークで学んだことを実践の場で具体的な解決策につなげていってほしい。



次回 7月3日第2回レクチャー「豊田の芸術を知る」に続く